◆「気持ちポーズ&ムーブ」って何?・・・
・・・うれしいと、思わずガッツポーズなどをしてしまうように、
気持ちとポーズはつながっています。
それを意識的に、気持ちをポーズで表現するのが「気持ちポーズ」です。
表現することで、自分の気持ちや、自分の周りにいる人たちの気持ちに気づいていくための「取っ掛かり」になります。
複数の「気持ちポーズ」を並べることで、例えば「怒っている人」「怒られている人」「仲裁する人」「傍観する人」などが登場する「ポーズ場面」を表現できます。
さらに「ポーズ」を取っている人達が感じるままに動いていくことで、場面が展開していく・・・「ムーブ」へと進んでいきます
場面を形にした人(作者)、ポーズを取って場面の中に入って動いた人(演者)、場面が動くのを見ていた人(観客)、それぞれに場面が動く中で何を感じたか、感想を語ってもらい共有します。その際、作者はどういう場面かわかっているので、最後まで語るのを待ってもらい、どういう場面がわかってない人たちの想像による解釈を先に共有し、誤解・解釈のズレも含めて「実はこの場面にはそういう側面もあったのかも?」という可能性を広げていきます。
無言で進めるからこそできる、解釈のズレを楽しみつつ、解釈の可能性を広げていくこと、それがこの手法の特徴です
(随時更新作業中ですが、情報量は多いので、「気持ちポーズ」について、エッセンスを感じ取っていただければと思います。
このページは「目次」にして、以下の文章の大部分は別ページに移してリンクする形にする予定です)
◆「気持ちポーズ&ムーブワークショップ」とは?
●自分たちで自分たちの状況を表現して作る
「再現ドラマ」⇒ 詳しくは こちら
●でも「ポーズが基本」なので、
「セリフを言ったり動いたり」しなくてよくて簡単
●言葉を使わない分「目に見えること」
「身体で感じること」重視 (見える化・感じる化)
●ポーズを取ると、「気持ちが湧いてくる」という不思議体験
●テレビの再現ドラマのように観るだけではなく、
「中の人」として「体感」できる
●さまざまな発見ができるように
「自由自在にいろんなことを試す」ことができる
自分の状況を客観視する
相手の立場で見る・感じる
多様な視点(作者・演者(ポーズを取る人)・観客)で見る・感じる・シェアする
「願い」を形にして見る・感じる
「解決策」を探る
●多様性の中の共感=1人1人違う中で「重なる思い」
個人的な課題は重なり合って社会的な課題へとつながっている
●誰でも楽しく簡単に作れるように、
ウォーミングアップから徐々にステップアップ
・・・複雑な人間関係など、話を聞くだけでは理解がしにくいことでも「再現ドラマ」にすることでわかりやすくなる
・・・ということは、テレビ番組等でよく使われています
テレビで見る再現ドラマは感情移入できるような身近な話題の場合もあるしますが、基本的に他人事の話です
では自分の話を再現ドラマにして見たらどんな感じがするでしょうか?
他人事の再現ドラマでも感情移入する場合もありますが、自分についての話題で「気持ちポーズワークショップ」をする時は、もちろん自分事なので、感情はいろいろと動きます
しかもテレビの再現ドラマは「観るだけ」ですが、「気持ちポーズワークショップ」は、それを自分たちで創ります
創る過程で気づくこともいろいろあると思います
さらに、ただ再現するだけでなく、自由自在にいろいろなことを試すことが出来ます。
・自分のエピソードを客観的に見たり、
・自分以外の登場人物の視点に成り代わってみたり、
・「こうなってほしい」という場面に全体を作り変えてしまったり、
・「現状」の場面からスタートして「こうなってほしい」場面まで流れを進めていくにはどうしたらいいか探ったり
・各登場人物のポーズを取っている人達が、どう感じているかわかる。場面を「内側」から体験できる
・未来や過去の状況を想像して場面を創ってみることもできる
・登場人物たちのポーズを変えることで、場面展開がどう変わるか試してみることも出来る
視点を変えたり、時間を飛び越えたり、登場人物を変えたり、自由自在です
「1人が自分の状況を表現するのに他の参加者が協力する」という場合も多くあります
その場合は他人事に思える場合もありますが、何かしら自分と重なる部分も出てきます
場合によっては「その人が対立している相手」の方に共感する場合も出てくるでしょう
そういう人がその場にいることが、その人だけでなく、場全体で学びを深めることにつながります
・
多様性の中の共感
人によって感じ方はさまざまですが、その中でも感じ方が重なることも多々あります。
言葉を使わない展開の中で、多様性を感じるとともに、言葉を超えた共感が生まれることもこの手法の醍醐味だと思います
気持ちポーズの源流 ボアールがペルーで編み出した「イメージシアター」
展開(activation,dynamization)=彫刻を動かす
進行役(ファシリテーター)のあり方
次にどう進めていくか、常にさまざまな選択肢があるので、進め方をいろいろ提案しながら、選んでもらう形をとっています。参加者のフィードバック(反応)を見ながら、より積極性を引き出せる選択肢を選んでもらうようにしています。
進行役の見立てや解釈を示す時もありますが、あくまでさまざまな見方のうちに1つに過ぎず、押し付けがましい形にならないように気をつけています
究極的には、僕や他の誰が「進行役」として存在しなくても、自分たちで進行できる手法だと思っています。
・・・以下加筆予定
◆「気持ちポーズ」「ポーズ場面」は、
何のために表現するの?
⇒1、現状を知り
2、どうすれば変えられるか探る
そのために行います
表現の世界の中で、自分のことを、いろんな角度から見たり、変えてみたりすることで、自分をめぐるドラマで遊びながら、気づき・発見をしていくためです
今何が起こっているのか知る、「現状分析」と、
今起こっている問題の解決策を考える「問題解決」や、今後の目標を達成するための「目標達成」など、どうすれば現状を変えていけるか考え、模索・探求することができます。
◆「気持ちポーズ」「ポーズ場面」で、何を表現するの?
⇒右の図のように
「現状」=「今こうなっている」
「願望」=「こうなってほしい!」
そして、 「それを実現するために、どうする?」
・・・というポーズ場面を状況に応じて創っていくのが基本です
「自分の周りにいる人たちの気持ち」や「自分の中にあるいろいろな気持ち」を気持ちポーズで表現して、並べて「場面」として表現します。
自分も含めて「自分の周りにいる人たちの気持ち」を並べれば、「人間関係を見つめ直す」ことができます。
「自分の中にあるいろいろな気持ち」を並べれば、「自分の心の中」を見つめ直して気持ちの整理ができます。
いずれにしても「現状分析」をすることができます。
「自分の中にあるいろいろな気持ち」を表現できるということは、「自分の周りにいる人たちのいろんな気持ち」も表現可能で、想像をふくらませて複雑な分析もできます。
また現状だけでなく、「こうなってほしい」という願望を形にすることも可能です。
「周りの人間関係がこうなってほしい」「自分の心の中はこういう状態であってほしい」
といった状況を表現して、真に自分が望んでいることを形にして確認できます。
さらに、願望を実現するにはどうすればいいのか考えて、「こうすれば実現できる」というプロセスを場面にしていくことも可能です。
現状 「こうなっている」
↓ 実現のプロセス「こうすればいい!」
願望 「こうなってほしい」
現状で問題が起こっていれば、そこからスタートして、より望ましい状況にしていくためにはどうすればいいか、問題解決を考えていくことができます。
願望からスタートすれば、そこから現状を振り返って、どうすれば願望を実現できるか、目標達成の道筋を考えていくことになります。
スタート地点こそ違えども、「問題解決」も「目標達成」も、「現実をどう変えていくか」、という点では共通しています。
● 例えば
現状= 泣きやまぬ女の子に困る男の子
↓
願望=笑ってほしい
実現のプロセス=クマのぬいぐるみをあげる
もちろん、他の解決策も考えられるかもしれません
唯一の正解を見つけるというよりは、さまざまな選択肢を探り、それぞれについてどう感じるか体感していくイメージです
また、例えば「クマのぬいぐるみがなければ、どうやって手に入れる?」など、より段階を追ったプロセスを考えていく必要も出てくるかもしれません
◆具体的な進め方
ウォーミングアップ (詳しくは別ページを立ち上げる予定)
身体でコミュニケーションを深めるゲーム
参加者同士の交流・関係を深め、場の雰囲気を和ませる
楽しく身体を動かしながら、徐々に「表現できる身体」になっていく
テーマが決まっている場合は、それに沿った内容も盛り込んでいく
日頃と違うコミュニケーションを通して、コミュニケーションを見つめ直す
↓
気持ちをポーズで表現することに慣れていく
・自分の気持ちを自分のポーズで表現する
・自分のポーズを、相手に真似してもらって表現する
↓
自分がイメージした「場面」を、自分以外の参加者たちの身体を使って表現する
取っ掛かりとしてよく使うもの
・気になる人(たち)との関係
・自分の中にある「気になる気持ち」
・「こうなりたい」という状況での気持ち
その他「こうなりたい」状況や、問題が起こっている状況など、話題を提供する「作者(たち)」が表現してみたい状況を表現
↓
場面展開
場面のアニメーション
「作者」は場面に入らないで、言葉では何も説明を受けていない参加者たちが「演者」としてポーズを取っていて、他の参加者たちが「観客」としてみている状況
演者たちは自分のポーズによって自然と気持ちが湧いてきている場合が多い
他の演者のポーズと組み合わさることで気持ちが変化する場合もあり、状況を自分なりに解釈するようになる
状況の解釈は演者同士で重なっている場合もあれば、ズレている場合もある
進行役が「その状況で、どう動きたいかイメージしてください」と各演者に声をかける
誰かに近づきたいのか、誰かから遠ざかりたいのか、もうこの場から立ち去りたいのか、まったく動きたくないのか・・・選択肢は無限にあります
「これから1回ずつ手を叩くので、1回につき1歩というイメージで、少しずつ、コマ送りで動いてください」
「ただし、他の人も動くので、人の動きで自分の動きたい方向性も随時変わるかもしれません。気持ちが変わるままに動きも変えてください」
そして1歩ずつ動いてもらう。
演者同士の解釈はバラバラかもしれないし、かなり重なっているかもしれない。
観客もそれぞれ自分なりに解釈しながらこの動きを見る
作者は当然どんな場面か知っているので、思い通りの動きなのか、予想外ながらも意味は分かるのか、まったく訳が分からない展開に混乱するのか、いろいろである。
演者や観客は、もちろん訳が分からないと感じる場合もあるが、もともとの情報がない以上、見えるがまま・感じるがままに受け止めて、解釈していく。
観客・演者・作者の感想をそれぞれ聞く
が、作者は後回し 多様な解釈に開かれた形にする
作者は言葉による説明を一切しないままで場面を作るが、それがどんな場面だったのか、ここで明かすこともできるが、一切明かさないままで終わることもできる。
言葉で語るには抵抗があることでも、こういう形なら表現ができるという場合もあるかもしれない
他の場面展開の手法
観客を活用する手法
「共感する人物の横に立つ」
「他にいそうな登場人物のポーズを取る」
加筆予定
参加者に、「気になる人」を思い浮かべてもらいます
「気になる人」は、いい意味でも、悪い意味でもどちらでも、なんでもOK
「好きで好きでたまらない」恋焦がれている人でも、「あんなふうになりたい」憧れの人でも、「大嫌い、なのに気になる」人でも、愛憎半ばする複雑な気持ちになる人でも、なんでも・・・
日々接している人から、会う機会のなさそうな有名人でも、映画・ドラマ・小説・漫画・アニメなどの登場人物でも、歴史上の人物でも、亡くなった方でも、どなたでも・・・
気持ちポーズの中では最もシンプルなものの1つ
以下、「気になる人」と「自分」の2つのポーズで行う最もシンプルなバージョン
基本的にしゃべらないで行います。
1、「気になる人」=Xさんをポーズで表すとどうなるのか、Aさんが自分でポーズを取る
↓
参加者の1人を直感的に選んで、Xさん役としてポーズをコピー(同じポーズをする)してもらう
2、「Xさん」を目の前にすると自分はどんな気持ちになるか?
Xさん役との位置関係で「ここだな」と感じる場所で、Aさんが自分のポーズで表す
↓
参加者の1人を直感的に選んで、Aさん役としてポーズをコピーしてもらう
(自分の気持ちを複数(例えばXさんに対する「愛」と「憎しみ」のように)表現したり、第3者Yさんも登場させたり、自分を登場させずにXさんとYさんだけを表現したり、色々な展開のバリエーションがありえます。
まずはXさんとAさんの2人で進めるバージョンで説明します)
3、「Xさん役」と「Aさん役」、それぞれに、相手との位置関係の中でそのポーズを取っていると感じる気持ちを味わってもらう
言葉で説明されていないので、2人とも気持ちは想像するしかないが、ポーズと相手との位置関係によって、自然と気持ちが湧いてくることが多い。
Xさん役には自分が何者かも想像してもらう
先にポーズを与えられたXさん役も、「1人でいたとき」と「Aさん役が登場したあと」では感じ方が変わる場合が多い。
4、2人の関係の中で、「どう動きたいのか」イメージしてもらう
5、進行役が1回手を叩くごとに1歩、というイメージで、「こう動きたい」という動きを実行に移してもらう。
ただし、相手も同時に動くので、最初の「こう動きたい」と思いがどんどん変わってしまうかもしれない。
思いが変われば変わったままに動いていく
6、進行役は原則6回から12回手を叩く。Aさんがもういいかなと思えば、途中で止めてもらう。進行役の判断で止めることもある。
7、観客としてポーズと動きを見た人たちに、最初どう見えて、その後どう感じたのか、感想をシェアしてもらう
8、「Aさんが気になる人」役と「Aさん自身」役にそれぞれ感想をシェアしてもらう
9、Aさんに、語れる範囲でシェアしてもらう(まったく語らないことも選択できるし、気になる人は誰々です、と明言することもできるし、ぼかしながら語ることもできる)。
必要に応じて、残り時間や他の参加者との兼ね合いを気にしつつ次の展開を加えていく。
Aさんに「気になる人」役になってもらう、Aさんに「自分自身」役になってもらう、2人のポーズを「こうなったらいいのに」という関係に創り変えてもらう、他の人物やAさんの他の気持ちのポーズを付け加える・・・など
◆気持ちポーズ場面の創り方
誰が創る? どう創る?
グループで話し合って創り、自分たちでポーズを取る
or
1人の作者(またはグループで話し合って)創り、他の参加者に、言葉で説明しないで、ポーズだけ取ってもらう
グループで「こんな場面を作ろう」と話し合って作る場合もあります。
その場合は「怒っている人・怒られている人がいて、横に傍観している人がいて・・・」というように状況を話し合いながら創り、誰がどういう気持ちでそこいるのかお互い分かっています。
しかし、1人の作者が他の人たちの身体を素材として1つの場面を創る場合、
そして作者がことばで状況や1人1人の気持ちなどをまったく説明しない場合、
ポーズを取っている人達は、ポーズから自然と湧いてくる気持ちを元に、周りの人達のポーズを見ながら想像して、状況を自分なりに解釈するしかありません。
そんなポーズを取っている「演者」たちそれぞれの解釈が作者の解釈と当っているのか、ポーズだけでどこまで伝わっているのかがこの手法の醍醐味とも言えるところです
*
特に最近は言葉で説明しないでポーズを与える方法を多く使うようにしています
自分のポーズと他のポーズとの位置関係から、「状況を想像し感じるままに動く」ことでいろいろと面白い展開が生まれるからです
→ 詳しく書く予定
◆ポーズを取っていると湧いてくる気持ち
その気持ちに沿って動き出す、アニメーション
場面を表現するなら、彫刻でもできます。
しかし人間の身体を使って表現すると、そのポーズを取ることで、そこに気持ちがついてきます。
例えば、うれしい時に思わずガッツポーズが出ることがあるかもしれません
では、「ガッツポーズをしているとうれしくなる」ということはあるでしょうか?
ポーズをしていると気持ちがついてくる・・・そんなこともあるのです。
(ただし、ガッツポーズのつもりで他の人にやってもらっても、違う気持ちだと解釈される場合もあります)
そのように「ポーズを取っていると、自然に湧いてくる気持ち」に沿って、場面の中にいる登場人物たちが動くことによって、場面を展開させていくのが「気持ちポーズアニメーション」です。
場面は、ポーズの組み合わせによって、見え方が違ってきますし、ポーズを取っている人の感じ方は違ってきます。
例えば、ガッツポーズを取っている人の隣の人が、一緒になって喜んでいるポーズなのか、悔しがっているポーズなのか、すごい剣幕で怒りをぶつけている人なのかによって、ガッツポーズの人の心境は大きく左右されます
~続く~
1人で「楽しそう」に見える人
2人で喜び合えばもっと楽しそうに見えるかも
では、これはどう見えますか?
はしゃいでたら怒られた?
怒ってばかりいる人を尻目に人生を楽しむ人?
では、これは?
泣いてる子どもの気をそらそうとしてる?
それとも泣くのを喜んでる性格悪い人?
隣にどんな人がいるかによって、「見え方」は変わってくるし、
その場にいれば「感じ方」はなおさら違ってくる。
ポーズだけでなく、表情や、目線も大きく影響する
疑似体験とは言え、身体で感じることを通して、
リアルな発見が期待できるかもしれない
また、「見え方」「感じ方」や解釈の多様性によって「誤解」が生じる可能性も多々ありますが、「解釈の幅が広がる」ととらえれば、それは場を豊かにしてくれるものです
言葉にして書いたり話したりするだけでは伝わりにくい・・・そんなことを目に見える形にすることで伝わりやすくするという意味の、「見える化」という言葉は少しずつ浸透してきています。
「気持ちポーズ」も言葉にしにくいニュアンスも含めて「見える化」できる表現手段です。
では「感じる化」とはどういうことでしょうか?
いろいろな気持ちの人がいる場面。
「こんなことがあった」と話したり、絵に描いたりするのと違い、いろんな人にポーズを取ってもらうことで、「この立場の人はどう感じていたんだろう?」という疑似体験ができます。
もちろん実際のその立場の人が実際に感じたこととは違う可能性もありますが、疑似的とは言え、「そこに身を置く」ことによって気づくことがあるはずです。
それが、「気持ちポーズ」で体験できる「感じる化」。
つまり、いろいろな立場の人の気持ちを、想像するだけでなく、疑似的に感じてみることです。
「見える化・感じる化」について、もっと詳しく →作成予定
その他の「いいこと」→個々に詳しく書く予定
・客観視(第3者の視点で見る・感じる)
・多様な視点で見る・感じる ~作者・演者(ポーズを取る人)・観客~
・
自分の状況を客観視できる
「自分」役も含めて、自分の状況を、他の人達に表現してもらうことで、普段の自分の視点を離れて、状況を客観的に見ることが出来ます
ポーズを元に動く、という段階に移ると、作者の意図を離れて、ズレた動きが展開してしまうかもしれませんが、ズレながらも意味を感じられる動きになる場合もあります
「ポーズだけでは伝わらなかった」という残念に感じる場合もありますが、多くの場合は「ポーズだけでも意外と伝わっていた」と感じられるような展開になり、そこから気づき・発見につながる場合もあります
できるだけ、「解釈のズレを楽しむ」というような心持でいることをお勧めしながら進行しています
相手の立場で見る・感じる
「自分以外の人のポーズ」として他の参加者の身体で表現したところへ、自ら入ってみて、その立場から状況はどう見えてどう感じられるのか、疑似体験することが出来ます
その人はどう見てどう感じているだろうかという「想像」以上のことを、体感できるかもしれません
あくまで疑似体験なので、その人物がそういう見方・感じ方をしているのが「正しい」とは限りませんが、今まで思ってもいなかった見方・感じ方をしているのではないかという新たな「可能性」が体感できるかもしれません
多様な視点で見る・感じる
~作者・演者(ポーズを取る人)・観客~
1人が作者となって他の参加者たちに「演者」としてポーズをとってもらう際に、全員がポーズに加わらないようにして1人以上を「観客」として残します。
観客は、場面がアニメーション展開していくのを客観的に見てもらい、自由に解釈してもらいます。
作者でも演者でもない観客の視点は重要で、思いがけない解釈が飛び出すこともあります。
個々の演者は書く登場人物の視点からどう見えるか・どう感じるかという情報をもたらしてくれます。
観客は全体を俯瞰して、作者以外の視点からどう見えるか・どう感じるかという情報をもたらします。
多様な視点からの見え方・感じ方が共有され、思わぬ新たな発見につながる可能性が高まります。
・「願い」を形にして見る・感じる
頭の中で思い浮かべている「願い」を「形」にして見ることで、願いを実現するために思いを新たにしてモチベーションが高まるかもしれません。
一方、いざ形にしてみると違和感を感じることがあるかもしれません。
本当に望んでいることなのかどうか、表現してみて始めて確認できることもあるのかもしれません。
「解決策」を探る
さまざまな視点から現状分析をしたり、こうなってほしい場面を表現することで十分な気づきがあって一区切りにする場合も多いですが、「現状」と「願望」の間にある「実現のプロセス」を探っていく場合もあります。
当事者である「作者」がどうすればいいか分からないという場合、観客に『「現実」と「願望」の間にはこんな場面があるのでは?』という場面を作ってもらう場合もあります。
気持ちポーズワークショップ
あなたの身の回りで起こった出来事を話す。
話すとスッキリして気持ちの整理になることもあるでしょう。
聞いてくれた人がコメントをくれると何か発見することもあるかもしれません。
ことばではすべてが語りつくせないこともあります。
ことばにならないことを、絵に描いたり、他の形で表現することでスッキリしたり、癒されたりすることもあるでしょう。
目に見える形で表現することで、自分でもそれを眺めることが出来て、そうすることで新たな発見につながる場合もあります。
さまざまな表現方法の1つに身体で表現する方法もあります。
踊るというのも1つの形です
そして演劇として演じてみる、というのも1つです。
「気持ちポーズ」は広い意味では演劇の1種です
いきなり動いたり、セリフを言ったりするよりも、ただポーズを取るだけでいいというのは簡単でハードルが低いです
与えられたポーズ、与えられた周りの人との位置関係からスタートして、感じるままに動く中で、思わぬ発見があることもあります
が、一般にイメージされるような「舞台で観客に見せる」ようなものではありません。
見ず知らずの観客に見せることはなく、見せるとは言っても、時間をともにして交流を深めた人達との間で「見せ合う」ことしかしません。
大事なのは、見せることよりもむしろ、「どう感じるか」
*
自分が作った「作品」が、自分の手を離れて勝手に動き出す面白さ
作品の「素材」として人間を使うからこその楽しさ
*
無言で作品を創り、各自がそれぞれ多様に解釈する
作者の意図と解釈が大幅にズレることもあるが、外れているのにどこか当っていることも多い。
ズレたからこそ発見があることもある。
多様性の中で共有されているのは何なのか、浮き彫りになるのかもしれない
*
ことばではなくポーズだけが与えられて、周囲の他のポーズの人達との関係の中で生まれてくる解釈・感じるままの動き
「ポーズによって表現されているもの」×「その人の持ち味・傾向」が掛け合わさったものが表現されてくる
そのポーズを取っているとどう感じるのか=勝手に湧いてくる気持ちが「役づくり」の第一歩
役者は、いろいろな役を演じる中でその人を理解し、多くのことを学んでいるはず
しかし、演技は見せてくれても、何を学んだかは教えてくれない。
役者ではない私たちは演技を見せる必要はないが、いろいろな役を演じて、さまざまなことを学ぶことで社会のさまざまな側面を知り、人生をより豊かにすることにつながるはず
必要なのは演技を見せることではなく、演劇的なやり取りを通していろいろなことを感じ、学ぶこと。
見ず知らずの観客に見せるのではなく、ウォーミングアップから交流を深めてきた「同志」との間で「見せ合う」演劇
気持ちポーズは、演劇的なやり取りを出来るだけシンプルな形で体験するための仕掛けです
このワークショップでは、ポーズを通して「役」になって学んだことを、その場でシェアして互いに学びあいます。
「演じるだけ」「観るだけ」では分からない「両側の視点」がシェアされ、深い学びにつながることが期待できます
◆ メモ:気持ちポーズ場面で伝わりやすいのは、「気持ち」と「関係性」
「何をしているのか」「何者なのか」は伝わりにくい。
・・・詳しく記事化予定